「PEEKチューブを接着するにはどうしたらいいか?」
とても頻繁にご質問いただきます。
PEEKは結晶性樹脂で、スーパーエンジニアリング樹脂の中でも最高レベルの耐薬品性を有します。
耐薬品性が高い=薬品に侵されにくい、ということで、接着剤が効きにくい樹脂です。
95%以上の濃硫酸には弱いですが、それをおすすめするわけにもいきませんので、弊社は非晶PEEKチューブを開発いたしました。
非晶PEEKチューブ=すなわち結晶化させずに成形したPEEKチューブです。
結晶化していませんので、耐薬品性は下がりますが、その代わり接着しやすく(接着強度が向上)なります。
以下が検証内容です。
右図のように、
① 普通の(結晶化した)PEEKチューブとSUSパイプ、
② 非晶PEEKチューブとSUSパイプ
を接着したサンプルを準備し、どの程度の力でどの様に抜けるか引張試験機を用いて観察しました。
結果、
① 普通のPEEKチューブ+SUSパイプは、1.6㎏f(=15.7N)でPEEKチューブはSUSパイプからスポッと抜けました。
② 非晶PEEKチューブ+SUSパイプは、3.0㎏f(=29.4N)でも抜けることはありませんでした。(チューブはビヨーンと伸びました。)
以上の検証結果から、接着しづらいPEEKチューブも非晶PEEKチューブであれば接着強度がアップすることが確認できました。
非晶チューブは普通の(結晶化した)PEEKチューブに比べ機械強度が劣りますが、それでもフッ素チューブ以上です。
フッ素チューブよりもプッシャビリティーに優れ、折れづらく、それでいて接着しやすいチューブとして、非晶PEEKチューブをご提案いたします。